不妊鍼灸についてAcupuncture for fertility
不妊鍼灸について、臨床研究や学会報告をご紹介します。
子宮内膜形状不良患者に高度生殖医療と鍼灸治療を併用した57症例
《 共同研究 》竹内病院トヨタ不妊センター所長(現 おち夢クリニック名古屋院長)越知正憲先生明生鍼灸院院長 鈴木裕明/高橋順子/小林美鈴
不妊治療で子宮内膜を厚くするお薬を服用しても内膜が厚くならい状態が2周期以上続く難治性不妊症57名を対象として、鍼灸治療とお薬を併用後、子宮内膜改善率と妊娠率を検討したものになります。
- ・初診時の年齢 27~47歳(平均 34.7歳)
- ・初診時の不妊歴 5~19年(平均5.6年)
- ・初診時の治療歴 3~18年(平均4.2年)
- ・ART治療回数 3~27回(平均5.8回)

この結果、鍼灸治療を併用したところ子宮内膜形状改善、妊娠率の上昇が認められました。
難治性の患者様を対象としているため、もっと短い期間での鍼灸治療で子宮内膜が改善される患者様も数多くおられます。
子宮内膜形状不良患者に高度生殖医療と鍼灸治療を併用した57症例の追試
明生鍼灸院院長 鈴木裕明/高橋順子/小林美鈴おち夢クリニック名古屋院長 越知正憲先生
子宮内膜改善率と妊娠率が改善されました。
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- 子宮内膜改善率
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- 1周期54.4%
- 2周期75.0%
- 3周期60.0%
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- 妊娠率
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- 1周期45.1%
- 2周期44.4%
- 3周期66.7%
中リョウ穴刺鍼が不妊症患者の子宮・卵巣血流に及ぼす影響
《 共同研究 》明治国際医療大学臨床鍼灸医学II 北小路博司先生明治国際医療大学臨床鍼灸医学II(現 明治東洋医学院専門学校) 本城久司先生竹内病院トヨタ不妊センター(現俵IVFクリニック院長) 俵史子先生
下記グラフは、鍼治療前の月経周期3~7日目に血流測定を行い、鍼治療後2回目の月経周期3~7日目に2回目の血流測定を行った結果になります。
子宮動脈は約9割の血流が改善され、子宮放射状動脈は約7割の血流が改善されています。
- ※子宮動脈:子宮に女性ホルモンを送る血管
- ※子宮放射状動脈:子宮内膜を厚くするためにホルモンを送る血管、分泌物を出す、着床しやすくする働きもある
- ※RI値:子宮動脈の血管抵抗値(子宮の血管が固かったり詰まっていると血流が流れにくくなり血管抵抗値が上がり、子宮の血管が太く広いと流れがスムーズになり抵抗値は下がります)

子宮動脈RI値は、9症例中宇8症例が鍼灸治療後低下し、平均も0.87から0.80へと有意(P<0.05)に低下した。
子宮放射状動脈RI値は、半数以上が減少し、平均も0.81から0.77と低下する傾向を示したが、有意差は示さなかった。